定期テストの季節になってきました。
塾で働いているとGWは年間で数少ない連休が取れる時期であったりしますが、それが終わるとテスト、夏期講習の検討、期末テスト、夏期講習と色々と忙しくなってきます。
残念ながらまだそういう体制になる程ではありませんが・・・
そんなこんなですが、中1の子がテスト対策の授業を取ってくれたので、開校以来初のテスト対策です。
まだテストは終わっていませんが、ここまでで話題になった点をまとめてみようと思います。
テスト勉強って何をしたら良いか
中学生になって初めての定期テストです。「何をしたら良いかわからん!」という感想を抱くことは自然だと思います。むしろ考えてくれることはとても有意義ですね。そして、いつまで経っても勉強の仕方がわからないというのも、実は今回の話がヒントになるかもしれません。
小学校のうちはテストといえば、カラープリントのテストではないでしょうか。塾に早くから通っていれば、塾内テストや外部テストなので全然難易度の違うものを経験していると思いますが、それでも改めてそのために勉強をしたという経験は少ないと思います。学外テストなんて、ほぼ実力テストみたいなものですし。(現実的にも難易度的にも対策が無理に近い)
だから、何をすれば良いかわからないという感覚は間違っていません。そしてこれ受け、とにかくやってみろというのは、結局一人でするのと同じですね。雑な対応だと思います。
ちゃんと個別に対応できる塾は実践済みだとは思いますが、私もティーチングではなくコーチング的なスタンスで進めていきます。
テストって何? 目的を明確にする
もう少し戻って考えてみます。
中学、高校では定期テストと実力テストがありますが、今回は定期テストですね。定期テストはそれまでの授業内容をどれほど理解しているかを判断し、評価が下されるもの、という感じで良いと思います。
だから、テスト範囲が決まっていて、そこの内容をどれだけ理解できているか問われるわけです。たまに、テスト範囲外のことを出してくるアンフェアな先生がいますけど、そういう例外的なのは一旦おいておきます。
だから、学校で習った内容を理解して、答えられるようになっていればいい、ということですね。問題はそれをどうしたら実現できるかです。
中1の1回目のテストは、その問題自体を見たことがないということになるので、想像力が及ばなくても仕方ないでしょう。
テストだから点数を取れない勉強は意味がない
割り切って、テストの点数を取るための勉強、ということにします。
実際には、その先にも通じる勉強をして、理解を深めていかないと火傷する内容もありますが、定期テストのための勉強に絞った場合、その優先度を間違えないようにします。ただ、このような目的が決まっているものに対してどういう努力をするか、という発想はとても大事です。むしろ、定期テストを機に努力の仕方を考える習慣を身につけてほしいと思います。
普段から正しく勉強していれば定期テストは点数が取れるという正論や綺麗事はおいておきます。
テスト勉強を始める前にすること(重要)
山に行く前には山登りの準備をするように、定期テストを受ける前には定期テストを受けるための準備が必要です。とりあえず、テスト勉強を始める前に意識してほしいことです。
- テスト範囲を想像する
- 自分ができていない内容を把握しておく
- 使える時間を計算しておく
おおよそこの範囲だなというのが慣れてくればわかると思います。それに合わせて授業を振り返り、理解できているところ、忘れてしまったところ、理解できず済ませてしまったところなどを自分の中で整理します。あと、どれだけ自分に時間が残っているかを計算しておきます。
この予定は大抵悪い方にずれていきますが、これも慣れです。
提出物を有効に使う
どうせやらなきゃいけないのだから、少しでも効率よく、ただ作業にして無駄な時間にしないことが大切だと思います。
ということで、私は提出物に意味を持たせ、分からないことを整理するためという指導をしています。そうすると、多少進め方や意識が変わってくると思います。
以下、その内容です。
できない問題をその場で解決しようとしない
最初からワークを全てを完璧にこなそうとすると、実力以上の問題に必要以上の時間をかけることになってしまい、覚えなくてはいけないことや簡単に点数につながる基礎的な内容を理解するための時間が取れなくなります。
できないことはできないで仕方ないので、飛ばすことも重要です。最初に難しい問題に時間を使うのは悪手です。
分からないことは調べてでも良いから何かしらやってみろというのも、時間の使いかを誤っている可能性が高いです。テスト勉強を始めたところです。この時点では分からない問題は分からなくて良いのです。
丸つけは真剣にする
一通りできた後の丸つけはとても重要です。
しっかり理解して解けたのか、偶然正解しただけなのか、惜しい間違いなのか、全く見当違いのことをしていたのか、歯が立たなかったのか。正解、不正解にも色々なパターンがあります。そして、それを本当の意味で正しく判断できるのは自分だけです。
ここで自分の気持ちに嘘をついても、誰も得しません。大事なのは定期テストで点数を取ることなので、この時点で間違えることは勉強すべき内容を発見できるチャンスだと思って、間違いを見落とすことの無いように真剣に丸つけするのが良いです。
採点しながら、その結果を色ごとに分けた付箋を貼っておくのも良いと思います。赤は全くだめ、黄色は少しやれば身につきそうなど。
一面真っ白でお手上げの場合、答えを書き込むくらいなら、一回ちゃんと説明し直すから、そのままにしておいてほしいとも思います。(学力層によってはそのまま伝えます)
一週間前に終わらせる(くらいの気持ちで)
テスト前には部活もなくなり時間が取れるようになりますが、そこから提出物のワークをこなすだけでテスト直前になっていたりすることもあります。それならいっそのことワークを捨てて単語を一つでも覚えたほうがいいとかいう場合もあります。
私は前に塾で働いていた時は、基本的にテスト二週間前から学校のワークを進めて、一週間前にはおおよその範囲を終わらせておくように言っていました。今でもその考えは変わりません。ワークを作業のように進めても時間がもったいないです。
まとめ
具体例を入れてましたが、結局は、テスト前に自分がわかっていないところを整理しておく、ということが目標です。そのために、提出物を有効活用しましょうということです。
聞かなくてもいいアドバイス
最悪な場合、周りの大人がこのやり方を否定する場合があります。分からない問題を先に理解しろとか、間違った問題は解説の式を赤ペンで丸写ししろ、とか。そもそも時間は無限じゃ無いことを理解できてないし、ワークを形だけでもさせたことだけを評価するのですか?と思いますが・・・
この辺、アドバイスじゃなく、強制だったりするので悪質だったりする場合があります。学校の先生はそれでも良いからしてくれ、と考えておられるのでしょうけど、その枠に当てはまらない子にはどうなのかを考えていただきたいです。
定期テストに向けてやるべきではないこと
まとめノート作り
なんなら、これが提出物になることがあり、勘弁してくれと思うこともありますが。
意味がないと思う理由は
- 結局わかってる内容しかまとめられない
- ノートをまとめても理解できているかどうかの確認ができない
- まとめのノートが授業ノートや教科書以上の情報を持たない
→ 教科書の方が綺麗にまとまっている - ノート作りで勉強した気になる
- 時間の無駄
こんなところでしょうか。とにかく、問題を解かない以上、理解できたかどうかは確認できません。自分ができる気になって実はできていないという状況が一番まずいのに、それを生み出しやすい勉強方法です。
無心で書き続ける
漢字や英単語をとにかく書き続ける。ノートいっぱいに書いても、それを本当に書けるのかどうか確にせず、20回書くことに満足する、などですね。回数で覚えれることが保証されているのかどうかを考えてみるといいと思います。
だから、国語の意味調べで、それを3回ずつ書いてこいなんて宿題を出さないでほしい・・・
教科書に色付け
線を引いても覚えられません。マーカーで線を引くのも、ボールペンでも同じで、これもやった感が出てしまう危険な方法だと思います。穴埋め用に赤のマーカーで引いて、緑のフィルムで隠すのはまだましですが・・・。これに関しては楽しようとして、書くことを放棄しているけど大丈夫?と思います。
まとめ(共通点)
ということで、やった気になる勉強方法がダメな勉強法だと思います。定期テスト前はとにかく、時間との勝負です。時間があれば一つでも不明な点を潰せ、一つでも多くの単語を覚えることができるのは明確です。それに必要な時間は人それぞれですけど。
効果が出にくい、もしくはでない方法に時間をかけるのは絶対にやめた方がいいです。
苦労を好む大人はまだまだ多いです。ダラダラしているようでも実は頭が働いている場合もありますし、反対に真剣に手が動いているように見えて実は何も考えていないということもあります。外側からしか確認せずに色々と小言を言うほど、距離は離れていき、それはアドバイスではなくなっていきます。
目的はやらせることですか?やった内容を理解してもらうことですか?やれば理解できるは真ではありません。
実はリラックスしているほうが頭が働くという研究結果もあって、その違いは外からでは分からないという問題があります。わかりやすいところでは、一部の人は音楽を聴きながらの方が集中力が上がるそうです。これを知っても、注意しますか?それは、形しか見てない指導と変わりません。残念ながら・・・
(ちょっと脱線)字を綺麗に書くという指導
これの本筋は間違ってないです。誤解の無いようにしてください。
一年に一人くらいで出会ったのですが、むちゃくちゃ字を綺麗に書けるのですが、とにかくスピードが遅い子がいました。丁寧に書くように指導されてきたんだと思います。他の面についても几帳面なことが多く、ノートの使い方も綺麗です。線を引くときには定規を使って・・・
こういう文章の書き方をしているから、分かる人にはもう通じていると思いますが。
この方法を真と身についてしまった子は大きなハンデを背負うことになります。字を早く書くけど汚い場合とどっちが減点の幅が大きいでしょうか。
答えとして、時間内に問題を全て解けないという問題が起きます。読めない字で受ける減点以上になっている場合も少なくありません。何より、普段の勉強の時間効率が悪くて、本人は頑張っているのに、テスト期間中に全体を見直す余裕もないくらい時間に追われていました。
字を汚くかけと言うわけではないです。一見良さそうに思える指導がその子を縛ってるなぁと感じましたが、簡単に治らないんですよ。小さい頃に身についた習慣というものは。
勉強は自分のためにすればいいと思います。だから、せめて勉強中は自分のための字を書くくらいの使い分けができるように声掛けをしてほしいです。
準備が終わったら
準備の意図がわかっていれば、後にすることはもう分かりやすいと思います。
テストで点数が取れないうちは、どこが理解しやすいかも判断が難しいかもしれませんが、単純に自分の頭に入りやすいところから始めれば良いと思います。そして、覚えようとしたところはすぐに問題を解いて確認する。
理想はワークのできなかったところを教科書やノートを見直したり、誰かに聞いて理解して、その後にもう一度問題にチャレンジしてみることです。このとき問題文と答えをセットで覚えてしまっても構わないと思います。覚えすぎてワークが使えないと思ったら、市販の問題集を買ってもいいと思います、塾で購入した眠っている教材を引っ張り出しても良いと思います。(今時、通塾科目以外の問題集を買わせる塾が残っているのか知りませんが・・・・)
ここからが勉強のスタートですが、実は準備さえできていれば、準備の目的が明確になっていれば、考えるべきことはそれほどないと思います。
実際に、わからなかったことをどうやって理解していくかは、また別のテーマにします。
まとめ
テストのためにわからないことを整理しておきましょう
ということです。また、
無駄な時間を使わないように
ということも理解できれば、実際には定期テスト以外についても、正しく取り組める姿勢が身についていくのではないでしょうか。真面目な性格をしていても、やった感がでる作業が好きになってしまいがちです。結果よりもその苦労に酔ってしまい、勉強しているのに点数が取れない、というふうな現象にハマってしまいます。何より、何時間も勉強をしたくないと思うのであれば、なおさら効率よく結果を出す方法を考えるべきです。
勉強したくないからしない、という選択は自分の人生の選択肢を潰して回っているだけですからね。それは今回は範疇外です。
大人は、やるべき努力を全てやれとかいう乱暴な指導をするのではなく、ちゃんと結果が出るような努力とはどういうことかを伝えるべきだと思います。一見良さげなアドバイスが実は根性論だったり、非現実的な案だったりしないでしょうか。そして、それを一方的に押し付けていないかどうか。
定期テストは、努力の仕方を学ぶにはいい素材だと思います。
枚方ロボットプログラミング学習塾のテスト対策講座(準備)
枚方ロボットプログラミング学習塾では、ただ授業をするだけではなく、テストに向けて意味を考えて実践できるような声かけもしています。より効果的にするためには、お子様の特徴や学力を認知しておく必要もあるので、ある程度通ってもらわないと効果を出しにくい取り組みではありますが。
お子様自身で勉強するスケジュールを、現実的な範囲で、また必要な勉強は何かを納得して取り組めるように、じっくり話をしていきます。