思ったより根深い問題だったようです。Twitterでは人生初の何気ない一言が燃え上がるという(悪い意味での炎上ではないです、この時点では)ちょっと怖い経験もしていますが。
テスト対策にて観測したこと
プログラミングが必修化になった2020年、私は学習塾からは離れていたので、噂程度にしか知りませんでした。覚えるべき単語量が増えたとか、いきなりbe動詞と一般動詞を同じ単元で教えるようになったとか、とにかく難易度が上がりすぎていて、生徒らの心を折りにきていると。
この辺の話題は、興味がある人は数年前から目にしていると思いますし、今更私がまとめるほどでもないので、飛ばします。
中1生の英語のテスト対策を行い、範囲を確認、やるべきことを整理・・・
なんじゃこれ?って思ったのがスタートです。
単語量の増加と文法をごちゃ混ぜに。
最初は、アルファベットが終わった後に、まあまあな単語が出てくるな、程度でした。感覚の問題かと最初は思っていたのですが。
そして、噂に聞いていたbe動詞と一般動詞の初出が同じページに。学校指定のワークですら、同時に出てきていて、これって、どうやってみんな区別して覚えるんだろうなぁって、ふんわりと嫌な感覚を覚えました。
で、ページをめくっていくと、これを中1の最初の頃で覚えるのかっていう単語がちらほらと。
中1生の理解度
予め、n=1の話です。
まず、文法という概念の認識が薄いなって思いました。なんとなく同じ文章を派生させて解いている感じです。その是非は別にしても、be動詞と一般動詞の違いを知らずして文を作るのは、難しいんですよね。そういう文化圏に住んでませんし。
単語の読み方、覚え方も身についていないから、ローマ字ベースで読もうとしてなんで読み方が毎回変わるのか、と嘆いていました。その発想は惜しいと思いますけどね。単発に近いテスト講習で、こういうものがあるよとは教えられますけど、今すぐ効果が出ないであろう話は後回しにするしかないです。
とにかく、英語を学習するという土台ができていません。
聞くと、小学校ではそんなの必要ではなかったという感じで受け取れました。でも、ちゃんと点数を取ってきた子です。自分なりの勉強方法が確立しておらず、地頭の良さで切り抜けた感じで、そろそろ限界が見えてくる感じです。
調べてみて唖然とする
小学生の英語って、教え込む要素が無いんですね。初学として楽しみましょうはわかります。ですが小5、6年生になっても、真剣に単語を覚えたり、文法を学習したりしないようで。同じような文章を集めてきて、そういうものだという感じで。
そのくせ600単語以上は覚えたものとして、中学のテキストはスタートしている、と。be動詞と一般動詞もやってるから、レッスン1でもう一度、というなかなかハードな構成になってるわけだと思いましたが、しばらくして別の違和感を覚えました。
算数と数学のつながり
小6の子もうちの教室にいてくれていて、今は算数を進めています。小6で文字式を扱って、比例反比例も、順列組み合わせもあります。この感じだったらガッツリ中学に向けた土台作りの指導ができるし良いなぁ、と考えながら進めています。
そして中1数学を見ても、あまり大きな内容削除は見当たっていません。今のところですが。やっぱり小6内容が中学でのアドバンテージにできるな、と。
ここでつながりますけど、英語だけ小学校で習った内容の上に構成されているのか?と。
小学校と中学校の連携はない、らいし
英語が小中学校が連携して成り立っていたらいいのですが、私の感覚だけでなく、現実としてつながって無いことになっていますね。この時期はちょうどこのような問題が活発になるらしく、色々なメディアでも取り上げられていて、小中学校での連携はお粗末な感じらしいです。
これで英語だけの問題だろうなって確信に近くなっています。
そもそもの成り立ちとして
英語教育を中1から始めると、いきなりで難しいからその前段階として小学校で、という話で英語教育が変わっていったのではなかったでしたっけ?そんな話を聞いた記憶があるのですが。それなのに、中1英語が小学校での学びを前提にその先からスタートしているのは激しく矛盾してますね。
中1で今一度スタートからやり直すのであれば、小学校でつまづいてもリベンジのチャンスにできるのに。なぜ詰め込む量を増やしたのでしょうか。
会話を増やして実用性を高めるとか言いながら、実は内容を濃くして実力を上げれば英語嫌いがなくなるとか思ったのでしょうか。これが正しければ、考えた人はアホです。申し訳ないですけど。
まとめ
小学校では英語教育の環境が出来上がってないし、教え込むより楽しむことを教えろと指示があって、中学校では小学校で習ってきたんだから少しレベルアップさせてもっと実力をつけろ、というずれですね。
学校が勝手に迷走するならまだしも、被害者は子供達ですからね。文科省は悠長だなと怒りを覚えます。
問題があるから避ける、わけにはいかないので
結局は、覚悟を決めて詰め込むしかないんですよね。今の受験制度上、中学高校に合わせるしかないので、小学校のうちに少しでも外部組織がアプローチをするしかない感じでしょうか。
(ただ、不安を煽って入塾を進めるようなやり方は嫌いです)
単語量は1日2単語くらい覚えていっても間に合わないくらいの量になってしまいましたが、より優先度が高そうな単語は覚え、わからなければ文脈から理解できる読解力の育成、文法もより効率よく理解できるような指導を・・・
と考えていくと、国語を先に押さえておきたくなるのです。文法なんて、まずは国語の文法がわかってないと、遠回りですし。
小学校ではやっぱり国語を優先しませんかね。
結論としては、とにかくやるしかないから、少しでもこちらで整理して、理解に必要な時間を短縮できるかどうかを考えつつ、単語は早い段階で覚えていってもらうしかないかと考えています。
この辺、専門の先生方がどのように対処しているのか知りたいのですが、同じように基本に忠実にいくしかないようです。
日本の英語教育
英語がなくても大丈夫な日本の環境
日本の英語教育は、ずっと失敗してきたというイメージが付き纏っていたと思います。現に私は英語は話せませんし、苦手意識はあります。ですが、英語で論文を書いたり、英語で発表をしたこともあります。
人生で必要だったことがそれくらいで、あとは英語ができなくても困ることはない感じでした。今だと英語のドキュメントを読むにしても、翻訳に通した方が確実だなって感じるくらいです。
中高6年間続けても喋れないという論調
6年かければ、スポーツでプロになれるんですか?ってことですが、英会話にそのレベルを求めるから難しくなるんですよね。日本語があまり得意ではない海外の方の発話でも理解はできるのだから、逆の発想でよければ、日本人は結構話せる人多かったと思います。そもそもの識字率なんかも高いわけだから、語学に関してもそれほど低いレベルではなかったはずです。
要するに定義とゴールラインの引き方を間違えていただけだと思います。
プログラミング教育と同じタイミングで改定した被害者?
小学校において、初学として楽しむことを優先しているのは、同じ時期に別の柱であったダンスとプログラミングもあるでしょうね。プログラミングもまあまあ酷い扱われ方をしていると感じる部分があって、必修化にするのに実際にコードを書くことが目的ではないみたいな意見がありましたからね。
意図は分かりますけど、習う以上、書けるような指導も必要じゃないですか?と思います。というか、実際にプログラミングをせずに、プログラミングの楽しさなんて分からないですし、その価値も生まれないでしょう。
楽しむ学習の落とし穴
英語の場合は問題の原因を正しく精査していないのに近視眼的に解決しようとするから、対策も間違うんですよね。楽しさは必要ですが、ちゃんとした実力がなければ、最後は楽しめずにどこかで天井を感じて嫌になるんですよ。
これはプログラミングも同じです。最初はみんな楽しいと思います。中には自分ができるレベルで楽しめればという子もいます。プログラミングに関してはまだ教育業界の受験という毒を受けていないので、それで許されるから良いのですが、いつか到達目標を設定された途端に、嫌いな子が大量発生すると思います。
でも、実際に使いこなす上での最低限のレベルであれば、ちゃんと指導していれば大多数は到達できるはずなんです。英語だって同じですよ。好き嫌いの分布は違うでしょうけど。
英語を学習する価値
最後に身も蓋も無い話になりますが、AIが発展し、ICT機器がもっと一般化したら、翻訳がらみの問題は解決すると思います。その時に、英語を学ぶ価値はどうなるでしょうか。実用性を求めて迷走している英語が実用性はツールで担保できるという状況になると思います。
文化を学ぶというのであれば、社会でできます。
語学としてであれば、まずは国語を頑張るのが筋でしょう。
そもそも英語が世界の主流の時代がいつまでも続くのかどうか。
今すぐの話ではないので、変わらず英語は勉強して、進路に困らないようにと思いますが、正直それ以上の価値は、今の子供達が大人になる頃には、それまでに別のスキルを磨いた方がいいんじゃないかなぁ、って思ってしまいます。子供達の時間は有限ですからね。
それを狙って国が英語教育を破綻させにきているなんて陰謀論はごめんですが、そうでもないと、どうしてこうなった?くらいに、意図がわかっていません。
分かっていませんが、教室では頑張って覚えていこうという声掛けと、文法をより明確に意識できる指導をしていきます。
話は別になりますが、英語に関してはその辺の塾とさして差がない指導しかできないだろうなって思っていましたが、そんなことないかもしれません。問題集を解くだけで間違ったところを適宜解説程度の塾であれば、転塾を考えることをお勧めします。(転塾先をうちにしろとは言いません)