歩行ロボットのプロトタイプ

今回はinventorで歩くロボットを作ってみました。今までの苦労がなんだったんだというくらい簡単に作れます。

持っている人はぜひ(inventorを持っている人って少なそうですが・・・)

またYoutubeでも動画をアップしています。よかったらチャンネル登録や高評価をお願いします。

背景

この業界に飛び込んで4年半くらいが過ぎているのですが、2足歩行ロボットはうまく作れませんでした。EV3で作られた巨大なロボットは見たことがあったのですが、正直なところもっとコンパクトに作れないか?という思いと、モーターの数を考えると凄いのは作れそうにないし、という感じで後回しになりがちだったんですね。

とはいえ、そろそろ自分なりの方針で作れるものを完成させておかないと授業で何も話せないしな、ということで。

事前知識

歩行ロボットに関して何冊か本は読んでいたのですが、モーター数と重さがネックになるようです。関節ごとにモーターが必要ですし、EV3では搭載数に限界があるので、他に何も動かせなくなります。

実際のところ、授業でやる場合は、Micro:bitとSG90のようなサーボモーター+3Dプリンターでやるしかないなって思っていました。

この時点であれなのですが、歩かせる形状も目的も今回の歩行ロボットとは違います。歩行ロボットで段差を越えたり、よりスムーズな動きを実現したりするために関節が必要なのであって、ただ歩くだけであればまた話が変わってくるのですが、それでも複数の関節は必要だと思っていました。

追加での勉強&実装開始

Youtubeでinventorやspikeの動画を見ていた時にペンギンみたいにぴょこぴょこ動くロボットを見つけた時にこんなやり方があるのかと目から鱗でした。モーター一つでそこまで安定するのか、と。

ということで、動画をじっくり見つつ、解説の動画もあったのでそれを見ながら、自分なりにパーツを変えながら原理を探ってみました。

真似して作るだけだと、あまり学習できないんですよね。その作りの意図を外見だけで判断するのはまだまだ難しいです。

わかったこと

  • 足の内側はシャフトか何かで前後に滑るようにしておく。
  • 足の外側は簡単なリンク機構で持ち上げたり下ろしたりするだけ。
  • 足以外は完全に固定して問題なし。
  • モーターは位相を反転させて回すだけで良さそう。(つまりプログラムは簡単)

作りながら気づいたこと

足にするパーツは平たくてそこそこ大きくした方が作りやすい

足の部分

小さくてもできる方法はありそうですが、シャフトを滑らせる部分を作るのが大変そう(足が小さめの作品はあったと記憶しています)ですし、何より倒れやすくなる感じでした。前後に長いことは守った方が良さそうです。

外側のリンク機構は上下に動くだけでは綺麗に歩けない

5マスのリフトアーム(失敗)

途中を別方向(外側)に曲げて力を逃したほうが良いようです。リフトアーム一本ではジタバタするだけでした。

←は全くダメでした。

↓のは歩けましたが、ゴツいのとパーツが多いな、と。

複雑そうなつくり
真横から

外側の長さ

パーツを少なくするついでに一段低くしてみたのですが、ブレが大きすぎて踏み込みもできなくなり、上体も安定しませんでした。下の画像のように止まっている時点で傾きが大きいのがわかります。

最小構成にチャレンジ
この時点でこけそう

動きが悪い時はさっさと止める

実はEV3で一度挑戦したことがあるのですが、その時は重さとリンク機構による負荷がシャフトにいってしまい、使い物にならないくらいに捩れました。

思った以上に自由度が高い

これが最高ですね。上半身はよっぽど無茶をしない限り足がしっかりを地面を捉え続けてくれます。

プロトタイプ

ということで、試作機ができました。見事なくらい綺麗に直進してくれたので、テンションがあがっていました。こんな簡単な作りで実現するとは。

外側のリンク機構を一段上昇
バランスが良くなりました

見えにくいですが、3マスのリフトアームを使って一段上げています。かなり少ないパーツで基本部分を作りきれたと思います。

ここからは自由に

ハブをどこにつけるか

頭にしても胴体にしても大丈夫そうですが、まずは胴体のパターンを。そのままハブをつけるとかなり前の方に出てしまうので、フレームを抜き取ってギリギリ足先に並ぶようにしました。

前部のフレームを外して、インテリジェントブロックに変えるのですが、穴の位置の都合により3マスのピンで外から止めています。

横から
見えにくいですが下の部分がポイント
これだけでも良いかも

目をつける

続いて目をつけたのですが、inventorの超音波センサーをそのままつけるだけです。この辺はEV3と変わらないですね。安直な付け方ですけど、バランスよく見えるんですよね。

正面から
裏側

腕をつける

左右バラバラに動かすためにモーターを二つ使っても良いくらいに余裕はあるのですが、単純なタイプにします。モーター一つで位相を逆にして左右バラバラに手を振るタイプです。これは偶然でしたが、足のモーターの間にちょうどもう一つのモーターを入れれたのが大きいです。

腕用のモーターを固定

こんな感じに変わりました。

後付けを続けるとだんだん無駄が増えていくので、最終的にはもう一度設計し直すことになると思いますが、今はいけるところまで行ってみます。

腕を装着
ケーブルもまとめました

この辺は、初代のミニロボットと称しているものと同じような作りです。簡単なリンク機構です。ただ、回転用の薄黄色のピンが足りなくなったので、灰色に変えて少し改造しています。

spikeでのミニロボット

こんな感じまでいけたら十分ですね。

おまけ

フルアーマーにしてみました。

このような改造もロボットの醍醐味ですね。超音波センサーをつけているので、目標を見つけてから発射などもできます。

ここの教室での授業はやるべきことを詰め込んでいるわけではないので、ある程度の自由時間があり、作ったものをどこまで自分色に染められるか、好きなように改造できるかを大切にしています。この試行錯誤こそがアウトプットにつながる大切な時間です。

興味を持たれた方はぜひ!