ベルトコンベアを改造して学ぼう

ロボットプログラミングでどんなことが学べるかを中心に、ベーシックやスタンダードあたりから入塾を検討いただいている方には、当教室では何を指導しようとしているか参考にしていただけると思います。

まずは作って動かす

作ってみる

LEGO社のロボットキットEV3を使って、ベルトコンベアを作ってみます。

作るのは簡単にさくっと。

と思いながらも、組み立てるのが慣れていない子でも苦労しないようにとのパーツの組み合わせは考えてみたりします。

土台の片方

パーツの数の問題もありますが、シャフトをそのまま挟んで止めるだけでは途中が安定せず、両手を駆使することになります。いい練習ではありますが。

間に固定するパーツも傾けるとすぐに抜けるので両方には使わないようにしています。

土台 両側

もう一つも同じように作っていきます。

モジュール(一つの機能を持った部品、みたいなイメージでOKです)的な発想を持って欲しいため、塊同士をくっつけていって一気に大物になるという、出来上がりに近づくと一気に盛り上がる形式です。

長すぎると途中で飽きてしまうので、なんでもこれがいいわけではないのですが。

土台を結合します

間を接続して土台の完成です。

サイズを調整しやすいイメージを持ってもらえると良いなぁとの狙いもあります。

真ん中部分の強度がないのですが、最初のコースだと手数や難易度の都合で残しておき、先のコースでは補強や拡張性も考えてもらいます。

完成
片側はモーターとインテリジェントブロックで固定できます

動かしてみる

前後に動かすプログラム

モーターを回すだけでベルトコンベアは動きます。

スピードを変える、途中で逆回転にしてみる少し止めてみる、また何を運ぶかなど、これを色々と試しているだけで50分はすぐに過ぎていきます。

基本は数字を調整するだけになりますが、それでも小数やマイナスの概念などを経験できるので、導入としてはこれで十分です。

プログラミングといえば意味不明な記号と英語が入り乱れているようなイメージでしょうか。これでも順番や動かし方などのルールを正しく考えて、意図通りに作っていく思考の流れはテキストベースのプログラミングと同じです。タイプミスがないというメリット以上に、流れを可視化しやすく、後から見直して修正をするという作業も容易です。

ベルトコンベアでセンサーの使い方を学習する

学習などど硬い言葉を使っていますが、実際にはこんなことができるよーって話すだけであとは勝手に使いこなせるようになります。これもロボットキットの優秀なところですね。

EV3の教育版にはボタンのように使えるタッチセンサー距離を測定できる超音波センサー色や明るさがわかるカラーセンサーと、角度や角速度がわかるジャイロセンサーがついています。これらとモーターの動きなどを組み合わせ、多彩な機能が実現できます。

ベーシックでは(丸写しでもいいので)使いながらどんな機能があるのかを知ってもらい、スタンダードコースが終わる頃には、どの場面でどういうセンサーが必要かなどが考えられ、実際に組み込めるようになって欲しいと考えてカリキュラムを作っています。

それ以降のコースでは、センサーの値を意識して、どう計算すれば適切に制御できるか、なども考えてもらいたいと思っています。微分積分がこの辺から重要になってくることもあります。大人でも頭を抱える人が出てくる領域にチャレンジしてもらう感じです。

タッチセンサーを使ってできることを考えてみる

ボタンを押したら動き始めるとか、止まるとかがありますね。緊急停止ボタンとか名前をつけてしまうとわかりやすいですね。ただ、動いているモーターを止めるのは少しだけ難易度が高いので、最初はスタートボタンとして導入します。

ボタンを押したらベルトが動くプログラム

タッチセンサーを押したら次のモーターが動く

ややこしくなりそうであればループは使わなくてもいいのですが、使い方が簡単すぎて無限ループだけでよければ感覚で使えます。

その後、ループの中にループを入れて、またループを入れてという無限地獄が待ってることが多いのですが・・・

言葉で書くと難しそうな話になりますが、プログラムにすると単純で、しかも見たままの意味で解釈できるため、年長さんくらいだと、文字が読めなくてもプログラムなら書けてしまうという現象が起きます。

押したら動き、もう一度押したら止まる

ここまでくると、プログラムが若干複雑になっていくので、一旦他の題材も取り入れながら、少しずつセンサーを使うパターンを増やしていく感じですね。

通常は一気に授業で扱うようなことはしませんが、プログラムは経験済みだったり中学生くらいからのスタートであれば、一気に進める場合もあります。

他には、押している間だけ動かすとか、押すたびにスピードが上がっていくとか、二つのボタンを用意してそれぞれに役割を作るとか、できることはたくさんあります。

超音波センサーやカラーセンサーを使ってみる

それぞれの役割がわかっていれば、タッチセンサーと同じよう使うこともできます。

しかし、これらのセンサーはさらに複雑に制御ができて「条件分岐」が使えるようになると、色ごとに全部動きを変えてしまう、のようなことができるようになります。

いよいよ難易度が上がってきますね。

特に距離は、「5cmより近づいたら」や「50cmより離れたら」など基準に対しての関係も必要です。しかし、最初は戸惑いながらも、使っているうちに不等号の意味を学校より早く理解できる子もでてきます。

発展

回転寿司をイメージ

ベルトコンベアという仕組みを改造していってもいいですし、もう一つ作ってクローラーとしてブルドーザーみたいに動かすのもできそうですね。

ベルトコンベアの向きを変えてしまうくらい奇抜なアイデアも、思いついたら実行できてしまうのがロボットキットの強みですね。

運ぶものから役割をイメージするのも学びになります。

改造が始まったら尚更大人の出番は少なくなります。

時は習ってないようなことにも手を出したくなる子もいて、そこはうれしい悲鳴になることもあります。手前の技術を習得してからでなければガタガタになると思ったら止めますし、大丈夫と判断したらチャレンジしてもらいます。

カラーセンサーで仕分けができるかも

改造は特にせず、動いている様子を見ているだけで満足な子も、実際には頭の中で自分だけの物語が出来上がっていることもあり、眼に見えるアウトプットより価値があることもあります。改造したくなるまで「待つ」というのも大切だと思います。それは何ヶ月後かもしくは一年先かもしれません。でもそれまでに他の分野を進めながら引き出しを増やしておけば、また違った発想につながる可能性が生まれます。

最初の頃は特にできなかったことを責めません。繰り返し同じ題材を使うことがあるのも、取り返すチャンスがあるという心に余裕を持つためという理由もあります。その時に全てを理解、実践できなくても、それを自分の負の感情として残す方が後々の学びに悪影響を及ぼします。そうならないようにベーシックのうちは楽しく遊んでもらえると十分です。

動いている様子はTwitterにアップしていますし、後日Youtubeにも公開しようと考えています。

Youtubeの動画も更新しました。

難しく考えるよりまずはやってみる、こんな勢いも大切です。