1 この記事の目的(スタンダードコースの紹介)
この記事では、入門用コースであるベーシックコースの次のステップとなるスタンダードコースで取り組む内容や学べる内容を説明していきます。
- スターンダードコースの概要と基本方針
- 実際に学ぶロボットやプログラミングの例
- 応用コース(ハイレベルコース)への進級について
これらの内容を説明していきます。
ベーシックコースの内容をお調べになりたい方は、以下の記事を参照ください。
1 はじめに 1.1. この記事の目的(ベーシックコースの紹介)ベーシックコースがどのようなコースなのか、どんなことを学べるのかを書いていきます。コースの概要とベーシックコースで大切にしていること実際にど[…]
2 スタンダードコースの概要
2.1 スタンダードコースの目的と特徴
2.1.1 ものづくりの基本を学ぶコース
スタンダードコースは、ベーシックコースでロボットプログラミングの楽しさを体験した次のステップとして、ロボットの作りやプログラミングの基本を学び、正しく理解して作成・動作させることができるようになることを1番の目的にしたコースになります。
基本の学習と聞くと難しさや堅苦しさを想像するかもしれませんが、ロボットプログラミングの楽しさは変わりません。むしろ、基本を身につけ、自分で作ったロボットを自分で考えて動かせるようになることで、より楽しさは増していくと思います。また、ロボットを使ったミッションにチャレンジすることで試行錯誤の大切さや達成感を感じ、学ぶ大切さと意欲を強く持っていただけます。
2.1.2 正しい知識に基づく演習と学習
技術や知識を正しく理解することで、与えられた課題に対して「正しい手順で最適解を考える」ことができます。これによって、より高度な問題解決能力を育成し、試行錯誤の質を上げることができます。反対に、基礎が中途半端な理解では応用技術を学ぶ効率が低くなります。筋が悪い方法でクリアできても、その間違った成功体験が学ぶ姿勢への悪影響も考えられます。
正しく学習する姿勢を身につけるためにも、基本を大切にし、それがどのように活用できるのかをスタンダードコースを通じて身につけていただきたいと考えています。
2.1.3 月4回の時間を活用し、復習も実施
過去にできなかったことも、新しく学びもしくは学び直しスキルが向上することで解決できるようになることもあります。この成長につながる成功体験は学習の大切さを実感する良い経験になります。また、ベーシックコースでは単に動かしていたロボットが、スタンダードコースでの学習により構造を理解し、より複雑な動きに改造できたり、プログラミングでの動作パターンを増やしたりすることで、自身の成長を実感できると思います。
このように、同じようなロボットを題材に使うことで、復習だけでなく、成長の実感も得られるような経験ができる授業も実施いたします。
2.1.4 個別指導ならではの柔軟な授業
基礎といっても簡単な内容ばかりではないため、それまでの習熟度に合わせて課題の調整や題材の選択を行います。一回の授業で理解できなくても、次は違うロボットでチャレンジしてみたり、しばらく時間を空けて、違う学びを経験してからチャレンジするなど、当教室では柔軟に対応できます。
それぞれのお子様にとって最適な学びができるような授業を進めていきます。
2.2 対象年齢について
ベーシックコースの進級コースとなりますが、スタンダードコースから入塾も可能です。
算数やロボット作りが得意な低学年のお子様や、中学年や高学年以上のお子様を想定しております。また、以前にロボットやプログラミング教室に通われていて、ある程度経験をお持ちのお子様に関しては、コースの内容をピックアップしながら習熟度を確認させていただき、必要な部分のみに短縮して受講いただくことも可能です。
2.3 受講料など
受講料は12,100円。時間は90分になります。
3 スタンダードコースで学ぶ内容
3.1 使用するキット
3.1.1 Mindstorms EV3とSpike Prime
ベーシックコースに引き続いて、EV3とSpike Primeを使用します。さらにバリエーションを増やすため、それぞれのキットに追加パーツを取り入れて、これまでできなかったことを実現し、自由に改造が行えるようになります。
3.1.2 LEGOの最新のロボットキットRobot Inventor
Robot InventorはMindstorms EV3に続くロボットキットとして発売された最新のロボットキットです。Spike Primeと同じようなScratch風のプログラミング環境で使いやすく、パーツ数はEV3やSpike Primeの倍近くになり、今までにないロボットを作ることができるようになります。
3.2 ロボット作りの基本
3.2.1 頑丈な作り
ロボットは動いている途中で壊れない作りにすることがとても大切です。LEGOはもともと頑丈なパーツですが、それでもバランスや強度を考えずに組み立てると、動作中にパーツが外れたり転倒したりするなど、プログラムが正しくてもロボットは正常に動きません。
スタンダードコースでは、パーツの方向や組み合わせで強度がどのように変わるかを意識していただきます。実際に応用できるのは上級コースで構いませんが、作りが不十分なロボットが引き起こす問題を理解し、見本の工夫を読み取る大切さも学んでいただきます。
3.2.2 リンク機構・カム機構
モーターは回転するしかできませんが、リンク機構やカム機構は回転を別の運動に変換でき、パーツを前後に動かせたり、歩くような動きを実現できたり、より複雑な動きを実現できる機構です。
一般にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、様々な場面で使われていることを学んでいただき、全体の作りの中でどのように活かしているのかを見て理解できるように学習します。
3.2.3 歯車の活用
歯車には、「モーターの回転を別の場所に伝える」「回転の方向を変える」「回転の速さや強さを変える」などの役割があります。モーターやプログラムでも調整できる部分はありますが、歯車を使った方が適切な場面やその理由を理解し、ロボット作りに反映させて、効率よく動かしたり、より強力な動きを実現したり、様々な使い方を学習します。
3.3 プログラミングの基本
3.3.1 モーター制御
ロボットの動きの多くはモーターの動きで実現されます。どのモーターをどのようなスピードで動かすか、どの程度動かすかなど、目的に合わせてモーターの動きを設定できるようになることが、ロボット制御の基本です。ただモーターを回転させるプログラムを並べるだけでなく、最初の動作はどうする、次はどうする、という順番に考えていくというプログラミングの基礎的な思考が身につきます。
また、調整のために試行錯誤をしていく中で、ロボットがすぐに動きその変化を確認できることから、自然に数値の量(特に小数や角度)の感覚が鍛えられます。
3.3.2 センサー制御とフロー制御
センサーを使うことで、ロボットの前に何かがあればそれを避けたり、黄色いものを見つけたら捕まえるなどの機能を作ることができます。この時、センサーをどのように使うか、その時にモーターをどのように動かすかを関連づけて考えることになりますが、これはプログラムでは条件分岐や繰り返しという流れを制御する考え方になります。
この条件分岐や繰り返しはプログラミング的思考の肝になるポイントで、特定の動作や処理を整理する際の基本であり、現実の問題や状況を整理する考え方に活かすことができ、問題解決能力の基本が身につきます。
他のプログラム言語を学習する際にも、条件分岐や繰り返しは基本となりますので、これを理解することがプログラミングの基礎を理解することになります。
3.3.3 モジュール化(関数や変数の活用)
大きなものを作る時に全体像ばかり見ていると、注意すべき点が分散してしまい、結果としてミスが増えてしまうほか、一人で作り上げるのは時間や労力が途方もないことになります。プログラムもものづくりも、部品ごとに作成し、それを組み合わせて一つの作品にするような手法が考えられると物事をより良く整理でき、共同作業も効率が良くなります。
授業としての取り組みは、スタンダードコースの後半になりますが、プログラムの共通部分をまとめていくことを覚え、関数や変数を使って整理できることを学習できます。
4 ロボットのサンプルや授業の流れ
4.1 スタンダードコースで作るロボットのサンプル
4.1.1 ベルトコンベアの活用
ベルトコンベアに役割を明確に決めてセンサーを取り付けていき、少しずつ一体化したシステムに完成させていく授業は、深い理解やそれぞれの復習になります。
ロボットプログラミングでどんなことが学べるかを中心に、ベーシックやスタンダードあたりから入塾を検討いただいている方には、当教室では何を指導しようとしているか参考にしていただけると思います。まずは作って動かす作ってみる[…]
4.2 スタンダードコースの授業のパターン
4.2.1 新しいロボットを作って動かして基礎を学習する
新しい技術や知識を学ぶ前は、ベーシックコースと同じようにまずは興味を持って作って動かしてもらいます。必要であれば事前に関連するテキストや動画で学んでいただき、その題材になるロボットの理解を深めてから作っていきます。
新しい学びがどのように活きるのかを体験し、基本技術を理解していただく授業になります。
4.2.2 ロボットで課題を解決:問題解決能力の育成と試行錯誤の経験をする
学んだ知識で解決可能なロボットミッションにチャレンジすることで、今までに学んだ知識の復習や定着、応用させるための意識を育みます。ロボット競技のようなミッションのほか、ロボットに結果を表示させる機能を追加するといった具体的な指示に従って物を作ってみる練習も行い、実際に相手の要求を理解してどのように答えるかも経験していただきます。
実際に答えを目指した試行錯誤の練習にもなり、すぐに答えが出せるようなものから、やり方は様々な選択肢の中から選べるような課題の中で、より最適な答えの出し方を追求していきます。
4.2.3 復習
一回授業で経験したらあとは応用の中で使っていく授業はあまりにも乱暴な学びです。本当に大事なことは理解できるまで定期的に繰り返したり、他の題材でも共通部分として認識できるように指導し、知識の定着を目的にした復習も行います。
ロボットプログラミングは決して易しい物ではないので、一回で理解できない内容も出てくると思います。しかし、理解できなかったことやチャレンジに失敗したことを真面目に練習してないこととして責めるのではなく、そのような失敗でも挽回するチャンスがあることで、次は頑張ろうという意識を持って難しいことにチャレンジすること大切です。
5 進級に関して
5.1 ハイレベルコースの目的とスタンダードコースの役割
ハイレベルコースでは、いよいよ基本を卒業し、応用課題にチャレンジしながら技術力を高め、問題解決能力や論理的に考える力を本格的に鍛えていきます。スタンダードコースは、本格的なロボットの世界に飛び込むための基礎学力とチャレンジする姿勢を身につけることを目的にしています。
スタンダードコースでは基本事項を正しく理解することを重視しますが、それを応用できるかどうかはスタンダードコースでは問わない方針です。授業での課題は、解き方が人それぞれのアイデアが活きるように設定する場合があり、成功させることも大切ですが、失敗しても構いません。それよりもまずはチャレンジしてみる、考えてみる、そして試行錯誤しながら自分のイメージに合わせていく経験が、応用課題を考える下地として必要であり、失敗すること自体が大切な経験の一つと考えています。
ですので、成功しないことを責めるようなプレッシャーを感じることもできれば避けたいと考えています。
しかし、成功するために頑張るという気持ちは大切ですので、うまくいくように励まし指導をしていきますし、成功するための課題も用意しながら、バランスを見て調整させていただきます。
5.2 進級の方針
プログラミング
フロー制御を使ったプログラムを作ることができる
関数や変数を使いプログラムを簡略化できる
作りたいものに対して、どういうプログラムを作っていくかイメージができる
(規模や難易度もあるので完全に作り上げれるかどうかは問いません)
ロボット作り
リンク機構やカム機構でなにができるのかを経験している
頑丈な作りを心がけられるようになっている
課題に応じたロボットの形を考えることができる
上記内容に加え、チャレンジする気持ち(自信)がつけば、ハイレベルコースで有意義な学びができると考え、進級を相談させていただきます。
6 まとめ
6.1 ロボット作りとプログラミングの基本を学ぶコース
ロボット作りもプログラミングも基礎を疎かにして悪い癖を身につけてしまうと、学習効率が悪くなることがあります。他のプログラムを写して動かすだけでクリアした場合、自分がイメージする動作をプログラミングするスキルが育ちません。これでは、せっかくロボットプログラミングを習っている意味が半減してしまいます。
当教室では、基本を大切にし正しい解決ができる技術と知識をしっかりと学べるように、定着を意識した授業を実施していきます。
6.2 応用コースや自分で取り組める土台の育成
次のコースからは応用コースとして、より複雑な制御やロボット作りを通して、実践に使える応用力を磨いていきます。そのための土台になるチャレンジする気持ちや学ぶ姿勢を身につけていただけるように、失敗から学んだ成功体験を経験していただきます。
6.3 他の(ロボット)プログラミング教室を通われている方へ
基本がある程度身についておられるお子様は、スタンダードコースを短縮して受講いただけます。特に問題なく学習されてきたお子様で高学年や中学生以上になられる場合、ハイレベルコースからの入塾も可能です。
どの程度習熟されているかを判断させていただきたいので、体験授業時に様子を確認させていただきながら、相談させていただきます。
6.4 体験授業と問合せ
無料体験授業を実施しております。スタンダードコースからの入塾も可能です。お子様の年齢などをお聞かせいただき、教室の方からスタンダードコースをご案内させていただく場合もございます。
お子様に相応しい内容でより質の良い学びが可能になるよう、柔軟な対応をさせていただきます。