今回で3回目になるRoboRAVE神戸大会2025に今年も参加してきました。
初年度は2人で1チームだったのも、今回は4人で2チームになりました。
ここではその時の様子を書いていきます。
RoboRAVE神戸大会
「RoboRAVEとは『Robots Are Very Educational』の頭文字をとったもので、小学生から高校生までを対象としたロボットプログラミング競技会です。」
RoboRAVE大阪大会より
小学生から参加できるロボット大会です。参加条件はWROなどに比べると緩く、難易度も習い始めた頃であっても参加できる競技がありつつも、高度な技術で挑むことができる競技もあり、奥が深く懐も広い大会です。
神戸大会の独自企画
神戸大会には他にはないShowcasingという種目があります。
これは、「発想」「表現」「技術」を参加者の子どもたちみんなの投票でスーポーロボットを決めるという展示系の種目です。
日頃の作製物の発表でも良いですし、ここに向けて作り上げていくということもできます。周りからの反応を感じながら次に活かすことができることがとても有意義な競技だと感じています。
そういうわけで、今年もこの競技にも参加させていただきます。
その他の開催に関して
RoboRAVEは大阪大会もあります。今年は10月26日(日)に開催予定とのことです。
特に参加しないマイナスな理由はありませんが、2ヶ月連続がスケジュール的に厳しいことと、神戸大会のShowcasingがメインの一つではあるので、今はまだ、という感じです。小学生の参加希望者が増えたら候補になると思います。
全国大会という位置付けで加賀大会もあります。今回、世界のレベルを間近に見ることができたので、俄然加賀大会にも興味が湧いてきたのですが、こちらも普通にスケジュールが取れません。この辺教室の運営とセットでどう考えていくかは、課題ですね。

競技の様子と結果
a-MAZE-ingチャレンジ
競技の解説
木の板の上を落ちずにどこまで走り切ることができるかを競う競技です。クリアできたら残りタイムがボーナスポイントになるので、早くゴールすることも大切ですが、まずはゴールが大変です。
とにかく道中で色々なところでスリップするため、同じプログラムのままでも軌道が変わります。センサーは使用不可なので、ジャイロセンサーのような姿勢維持の仕組みは使えません。その中でいかに安定した走りを実現できるかが勝負の分かれ目です。
とはいえ、基本的な走行方法がわかっているだけでも形にはなるので、初心者から上級者まで楽しめる競技だと思います。

当日のコースです。
いきなりの急カーブのあと、二段階で曲がり、長い直線があります。
この直線が曲者で、少しでもズレた方向で直線に入ってしまうと、奥にたどり着くまでに落ちてしまいます。
画像はうちの教室のチームSnake lizardの車が走っているところです。
チームの様子
今回、うちからは2チームの出場させていただきました。
そのうちの1チームは、キャスターの代わりにオムニホイールで挑む(4輪に見せたかったくらいで、走行性能向上のためという方向の意図はないです。)、3Dプリンターで本体を作る、わざと重くしてみる(摩擦力を上げるため)というのが作戦でした。3年連続で初回から連続参加の子が担当です。練習などは慣れたものでしたが、相変わらず滑ってしまうようで、苦戦していました。
もう一つのチームは、大きなタイヤで勝負ということでしたが、Showcasingの準備で忙しかったので、ほぼぶっつけ本番で挑むことになりました。作戦はシンプルイズベストと言わんばかりの最低限のパーツで車を作っていました。
結果や感想など
中学生の部が少なかったので、同郷対決気味になりましたが、お互いに最高得点だけだと良い勝負になっていたようです。安定性の差か、平均点は差がついた感じで見ていますが、実際には詳細がわかっていません。というのも、隣のコートで審判をしていたので・・・歓声が沸いたので、ゴールか、その手前までは行けたのでしょう。
ということで、審判をしていた側の様子ですが、こちらは小学生のチームのみでした。その中で飛び抜けた成績を叩き出していたのが、3回連続でいずれも13秒でゴールしていたチームでした。安定感もスピードも申し分なく、初年度の世界大会に参加していた子たちを見ているようでした。キットはSpikeなので、条件は同じですね。小学生はコースが短くなるのですが、中学生のコースでも完走できる実力がありそうな様子でした。他のチームも、体験会の時から進化していて、去年と比べても平均点はかなり上がってきていると感じました。実力が上がってきていますね。
外から見ていても、わかりやすく盛り上がる良い競技だと思います。走るだけというシンプルな話ですが、奥は深く、いかに安定させるロボットを作るか、モーターの制御のみでどこまで安定感を出すか。意外に考えられることは多くあると思います。
奥が深いとはいえ、簡単に作ってみてもそこそこ走らせることはできて、手軽に楽しむことができるのは良い競技だと思います。
今回は、多くのチームが半分以上は進めていたと思いますし、だんだんとレベルアップできていることを感じ取れるのも良かったと思います。
SumoBot チャレンジ
競技の解説
その名の通り、相撲です。土俵の上から落ちないように動き回り、相手を落としたら勝ちです。
こちらもシンプルでありながら、作戦が無数にある奥が深い競技です。
基本的にぶつかり合いになるのですが、相手の下をとってタイヤを浮かせることができればほぼ勝ちにつながります。

押し出される様子です。
先を尖らせる部分をどう作るか、そして相手に下を取られないようにするにはどうするかで形が決まってくるようです。
また、カラーセンサーで黒い線を読み取ったり、超音波センサーで相手の位置を把握したりも重要です。
最低限、落ちないロボットを作ることができれば参加できる競技です。そういうわけで、a-MAZE-ingチャレンジよりは少し難易度が上がりますが、その分、ロボットの形次第で勝つこともできるため、a-MAZE-ingチャレンジとは違う面白さを感じることができると思います。
チームの様子

上の画像にある通り、両サイドを3Dプリンタで作ったブルドーザーのような形状のパーツを取り付けての参加となりました。
足回りはキャタピラに輪ゴムを絡めて摩擦を強くした、とのことです。
プログラムの方は、場面ごとにフラグを管理して動くものができたようで、最低限のことはできていたと思います。
結果
相手が悪かったといえばそれまでですが。記憶が正しければ、初年度から好成績を上げ続けている子が同じグループにいました。画像にある押し出している側のロボットです。
経験の差、作り込みの差、練習量の差、色々といえますが、手も足も出ず押し出されていて、完敗。2位という結果になりました。
強い子にきちんと負けるということが良い経験になったかと思います。
感想
半端な練習では勝てないという良い経験をさせてもらえたと思います。もっとできることはあったはずなのに、動きが作れて満足していましたからね。作り込むということがどういうことか理解できたのであれば、良い財産になると思います。
小学生の部の常連のチームも、ギリギリまでサイズを考え、先が尖るように3Dプリンターの設定を頑張ったとのことで、ロボット作りにおいてこのこだわりは本当に大切だと思います。
Line Following チャレンジ
競技の解説
ライントレースという黒い線の上を走る技術を使って進んでいき、ゴールにあるタワーにピン球を入れる競技です。線が1cm無いくらいの細さの上に、かなり大きく曲がっているため、比例制御程度のライントレースだとなかなか難しい上級編の競技です。ピン球を入れるタワーもそこそこ高いので、ロボットのサイズが大きくなってしまう(特に重心が上になりやすい)ことも、難しくなっている要素になっています。
ルールも複雑で、まずはピン球を一つでも投入できて帰って来きます。ここまでは通常点。これが成功したらそこからボーナスゲームとなり、ピン球をたくさん入れるほど(最大あり)点数が高くなる競技です。とにかく早く、たくさんのボールを運ぶことが大事ですが、まずは行って一つでも入れて帰ってくるということを成功させなければいけません。
チームの様子

見た目は良かったと思います。
3Dプリンターで上部のケースを作ったのですが、半透明のPETGがいい味出していると思います。
これなら、車体も同じ色で作り込んだほうがいい雰囲気出せたと思います。
ベースのロボットはInventorです。こちらも支えにオムニホイールを使っていて、前に2個に加えて、後ろにも1個つけていました。ただ、オムニホイールの方が少し大きかったようで、車体を強化した時にメインのタイヤが浮くという問題が発生していたようです。重量に耐えるため、モーターはXMモーターを使い、歯車で減速させてパワーを出すという形にしていました。
台湾チーム
今回の大会には台湾のチームが参加されていました。海外の大会に出るくらいですので、その実力も気合の入り方も違いました。
練習時点で見たことない動きのライントレースが披露され、ピン球も凄い勢いで投入されていくという。どうやっても追いつかない実力差を見せつけられました。
マイコン系で、基盤が何か、モーターが何かなど一切わかりませんでしたが、トレース用の光センサーが四つ。走行スピードが早すぎて、光が大きくずれるのですが、それでも線に戻ってきて走り切るその様子は確認できましたが、どんな技術を使っているのか全く見抜けませんでした。

完全にライトは外れていますが、ここからぐいっと戻ってきます。
センサーが4つや5つで動かす方法があるとは聞いていましたが・・・。この辺の制御はカラーセンサー2つのPID制御までで止まっているので、また勉強ですね。
あまりの実力の違いにもう笑うしかないという感覚でした。
結果と感想
会場と教室の床の固さが違うことで制御が難しかったのだと思います。もっと車の方を作り込まないとプログラムだけでは難しいようですね。
とはいえ、なんとか戻ってくる手前までは進めるようになっていたようです。練習ではできていたというのはよくある話ですが、環境の違いで変わってくるというのも良い経験でしょう。(仕事でもあるあるですからね)
台湾チームを除くと、2位につけていたということは、悪くはなかったのだと思いますが、こちらも小学生チームの中にボーナスゲームまで進んでいたチームが居たので・・・
今回はPID制御まで踏み込まなかったこともありますが、まあまだ上があるし、それを目指す価値があるというのを感じ取ってくれていれば良いと思います。
Showcasing
神戸大会の独自種目です。内容は先述した通り、展示部門です。
今回は、遠隔操作の車で、映像をラグが少なくやり取りできるということが長所でした。
準備に関しては、ここでは書けないくらいに酷く迷走したところがあり、とりあえず準備も実力も足りてなかったかなという感じです。

下に置かれているものが車です。


ハンドルやアクセルはかなり作り込んだと思いますが、耐久力がないという問題が露呈しました。これも展示のあるあるですね。触らせないか触らせる前提で強化するか、ですね。壊れるだけでイメージが悪くなって評価にもつながるのが厳しいところ、でしょうか。
右側が、入賞作品です。ピンボールや野球版など、遊べるものが人気でした。実際、かなり作り込んでいる感じで、こちらもだんだんレベルが上がってきている感じがします。
総括
この手のイベントは目が足りませんね。というほど同時進行はほとんどなかったはずですが、様子を見に行っている間に他のが終わってしまっているという感じでした。それくらい、見なきゃいけないと思うところが多すぎました。ついつい競技周りや自教室の展示が気になるのですが、他を見ておかないと情報収集が追いつかないなと思います。
写真が撮れなかったのも、自分の携帯を展示に貸し出したためで、予備の携帯を持っていくべきでした。この辺まとめて、情報収集というのを意識していかないと、参加しただけで終わりそうで、気をつけようと思いました。
これが反省点になるくらい、得るものがたくさん転がっていた大会でした。やっぱり、みんなで成長しようという言葉がとても素晴らしいと思います。
教室単体の感想としては、やはり上のレベルが出てくると負けますね。中程度から上側のレベルを維持できていると思いますが、ぶっちぎるところがないという印象です。準備期間があったはずなので、普段からの意識ですかね。声かけはしていましたけど、リアリティが無かったのかと反省です。もう少し外を見ることと、現状で満足しないようにという意識づけですね。
台湾チームが別次元の性能を見せつけてくれたのと、Spikeを安定して使っている教室があるなど、まだまだ上を目指せることを実感できたはずなので、今後の活動にどう活かしてもらえるか、ですね。
別枠になりますが、前の職場で同量だった方と再会できたのは個人的に嬉しかったことです。立場もそれぞれに変わりましたけど、この業界を盛り上げるためにそれぞれの場所で頑張っていければ、と思います。
この記事を書いている時点で、もう2週間以上経ってしまっていますが、それぞれ新しいスタートという感じで、振り返りも行いつつも次に向けて動き出しています。まずは制作能力の向上ですね。引き続き頑張ってもらおうと思います。
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